今年に入って、月イチくらいのペースで訪れている「つくば」。

十数年前までは、ディレクションしていた雑誌の撮影で、月に2度3度と来ていたけれど、それから時は流れ、再び来るようになるとは、思ってもいなかった。

学園都市と名付けられている通り、当時から大学のキャンパスや宇宙系の研究施設などが点在していて、街の中心は若々しい雰囲気。

それにもまして、最近では、おそらく著名なデザイナーが手掛けたと思われる店舗が多くなってきていて、イタリアン、フレンチ、メキシカンなどなど、小洒落た店舗が軒を連ねている。しかも、どこも「美味しい」というのもポイント。ランチタイムには、小洒落たお店に、流行のクルマが並び、不景気はどこへやらと、活気を感じさせてくれる。

早朝からやってきたので、午後にはひと仕事終え、オンタイムでランチにありつけた。

やってきたのは、森の中にポツンと建つ、まるでトトロの家のような雰囲気のイタリアン店。選りすぐりの食材を使ったランチは、大人気らしく、お昼前から女性陣が詰めかけ、駐車場は満車状態。訪れるクルマもレクサスやアウディなど、ハイソ感たっぷり。

2度目というのに、「特製サラダです、お召し上がりください!」と、他のテーブルとは違ういろどりのサラダを出してもらう。生ハムのサラダに、トマトの冷スープと前菜にしては、ボリュームたっぷり。

サーモンとほたてのクリームパスタは、前回、食べたかったけど違うメニューにしてしまったので、あらためて注文した一品。あっさりとしながらも、サーモン、ほたてそれぞれに味があり、シャキシャキのアスパラがアクセントとなるパスタ。

昨今、食にかけられる経費というのも、締め付けが厳しく、なかなかこうして美味しいランチを楽しめることも少なくなってきた。そんな中での、仕事終わりのひと時を久々の美味しいランチで満喫できた。

で、ビートル。今回で、3代目となるのだが、初代はあのナチスのヒトラーが開発させ、国民的大衆車のベンチマークとなった世界でも親しまれたクルマ。その数十年後に復活した2代目は、ゴルフをベースにフェミニンでユニークな装いで登場。どこか男っぽいイメージのあるVW車に、彩りを添えて女性に人気の車種となったにもかかわらず、本国の本社では“不評の嵐”であった。それを払拭するように、ボーイッシュに一新された3代目は、見た目は2代目と相変わらないように見えるが、随所に男っぽさが演出されている。ただ、エンジンは1.2リッター+ターボという最近のヨーロッパの燃費向上スタイルに合わせた仕様となっている。

丸みを帯びてはいるが、運転席から感じるのはスクエア感。チョップドルーフのような細長く切られたウインド、真っ平らなダッシュボードなど、2代目で感じたフェミニンな装いは一切なくなった。

現代的なデザインではあるが、相当初代にこだわった造りになっている。これまで、2代目を敬遠してきた初代ファンも少しは納得してくれるのではないだろうか。

走りは、これまたボルボS60の時と同様、「走るのか?」というスペック上の印象を覆し、1.2+ターボは意外にイイ。

街中での信号待ちからのスタートダッシュも申し分なく、高速での追い抜き時の加速もまったく問題ない。しかも、そこそこ踏んできたのに、燃費が良いというのはさすがである。

こんな時代なだけに、そうそう乗り換えができない、少し長めに所有するつもりなら税金も安いので、ハズさないクルマ選びを考えるなら、エントリーしても良い一台かも。